協会誌巻頭言

当協会について

新年のご挨拶

公益社団法人熊本県精神科協会 会長 相澤明憲

熊本県精神科協会の会員の皆さん。あけましておめでとうございます。

昨年を振り返ってみると,とにかくずっとCOVID19にふりまわされていました。1年延期して昨年の開催を期した九州精神医療学会の熊本大会は準備を進められる状況にないということで最終的に開催を断念しました。大変に残念なことでした。長年続けてきたくませいフェスタも再度中止となり,令和4年度の開催も見送りが決定しています。コロナ禍ということだけではなく,入院している方の高齢化ということも考え,協会の事業として新たなあり方と検討することになりました。全国の多くの精神科病院でCOVID19のクラスターが発生しましたが,幸い熊本県の会員病院での新たなクラスター発生がなかったことは幸いでした。会員の方々そして会員病院の職員の方々の感染防御の努力の結果だと考えます。

5月の協会総会において,森病院の森健太先生が新たに理事に就任されました。森先生には,今後の協会の運営において大いに力を発揮していただけるものと期待しています。悲しいこととして,9月の熊本県精神科協会元会長高木元昭先生のご逝去があります。先生の業績やお人柄については,本誌に追悼文に詳しいところですが,大きな先輩を失ったにもかかわらず,コロナ禍のためしっかりとお別れができなかったのは痛恨のことでした。慶事もありました。春の叙勲において,龍田病院理事長の續純一先生が瑞宝小授章を受けられました。先生は長年にわたり院長,理事長として地域の精神保健福祉について多大な貢献をしてこられました。また熊本県精神科病院協同組合の理事長を務められ,あかねワークセンター事業の発展などを通して多くの精神障害者の社会復帰に寄与されました。協同組合の事業には,協会会員病院の多くがその恩恵に浴しているところです。10月には当協会副会長で益城病院理事長の犬飼邦明先生が精神保健福祉功労者として厚生労働大臣表彰を受けられました。先生は日本精神科病院協会の支部長も務めておられ,そのご活躍は会員の皆さんも周知のことです。益城病院は先の熊本地震で大変大きな被害を被ったのですが,その後短いうち再建がなされ,以前に増して活発な医療活動が展開されています。先生方の受賞は協会の誇りであり,心からお喜び申し上げます。

我が国では,諸外国に先駆けて流行が鎮静したかに思われたのですが,オミクロン株なる新型が登場し再度拡大する気配が見られます。感染力が強いと言われたり,症状は軽度だと言われたりしていますが,報道において専門家とされる人たちの話すことがちっともあてにならなかったのは周知のことです。なかなか難しいことではありますが,あふれかえる情報に右往左往することなく,しっかり信頼できる情報を選んで,それをもとに自分たち議論し対策立てていくほかないと考えています。

疫病発生から2年がたち,良きにつけ悪しきにつけ日本社会は新型コロナ禍に慣れてきたように感じます。マスク,消毒など感染予防に気をつけながら,一定の社会生活は維持するというスタンスが定着してきたのではないでしょうか。多くの会議や研修会などがリモートで行われていますが,これが日常として定着しつつあります。その一方で,少しずつ再開されてきた実際に対面での会合に出席してみると,直接会って話をすることの意味合いの大きさを感じるのは私だけでしょうか。新型コロナが流行したからといっても,ほかの病気は休みなしです。疫病流行下でも医療という仕事は日常と同様に維持されなければならないのです。医師の働き方改革に関する議論が待ったなしで進められています。精神科医療に関する行動制限について,司法の場や報道でも議論が行われています。当協会においては,しっかりとこれらについての情報収集を行い,対応策を議論していくことが必要だと考えます。地域の要請に応えられる精神科救急医療体制の構築・維持や社会復帰施設としてのあかねの里の健全な経営も大きな課題です。令和5年に日本精神科病院協会の主催する日本精神科医学会学術大会が,熊本で開催されることとなりました。内容の充実した大会が開催されるように,しっかりと準備を進めていかなければなりません。

たくさんの解決すべき課題が積みあがっていますが,今までも会員全員そして会員病院職員の皆さん方が協力し合って課題を解決してきました。冬の寒さが厳しいほど,春の花は美しく咲き私たちの喜びも大きいと思います。令和4年が,皆さんにとって明るい年であるよう祈念いたします。本年も,熊精協へのお力添えをお願いいたします。

 

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